NPO法人自然環境会議八尾

菜の花油で機械を動かす

2017.6.4

団体

今回は、八尾の黒谷地域で菜の花プロジェクトを推進しておられる、NPO法人自然環境会議八尾の副代表宮川さんにお話を伺いました。
みなさん、菜の花から油が採れることをご存知でしょうか?
しかも、その油を石油の代わりとして使用できることをご存知だったでしょうか?
そんな菜の花プロジェクトを活動の中心に据え、様々な環境問題に取り組まれているのが自然環境会議八尾さんです。

菜の花プロジェクトとは、菜の花を育て、その油を料理に使って、その廃油を石油の変わりの燃料にし、排出された温室効果ガスを菜の花が吸収するという、循環型のプロジェクト。
なんとも無駄のないサイクルです!
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菜の花が咲いているだけでも、景色がとてもきれいで心が癒されますが、さらにこんなに利用することができるとは!

自然環境会議八尾さんでは、菜の花の油の活用だけではなく、一般家庭などでも出てしまう、廃食油の回収もされています。家庭だけでなく、障害者施設や飲食店で出ているものも回収を行います。これも、なんと、石油の代わりにすることができます。
しかも、回収した油は実際に、企業へ届けて使ってもらっているというから驚きです。
導入されている企業では、月々の電気代が17万円も減ったところもあるそうで、環境面から見ても、経営面で見ても効果があって一石二鳥!

また、そういった企業を増やしていくために、環境活動に取り組む中小企業の取材も実施されています。
菜の花を育てるところから始まり、八尾市内の企業の取材に至るとは、ちょっと聞いただけでは理解しづらいですが、すべての活動が一貫性を持っていて、つながっています。
「研究活動に力を入れてきましたが、これからは、多くの人に知ってもらい、実際に活用してもらえるように働きかけていきたいです」と宮川さんは力強く語ります。
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自然環境会議八尾さんが発足したのは、2007年11月。
「環境と経済の両立と発展を目指す」ということを活動理念に、研究機関のOBや大学の先生等一緒に活動を始められました。
今回お話をお聞きした宮川さんは、中小企業団体にお勤めだったそうで、活動の根幹には「中小企業を元気にしたい!」という思いがあるそうです。だからこそ、現在の活動につながっているということに納得です。

自然環境会議八尾さんの活動は菜の花プロジェクト以外に、菜の花畑の空いてる場所を使った「いきいき農園」の運営や、ソーラー発電装置の開発、廃食油を利用したアロマキャンドルづくりなども行っておられます。農園はNPOのメンバー20名程度で行っているそうで、そこで作った野菜を地域で販売したりもされています。いきいき農園で学んだことを活かして、すでに自分の農園を持っておられる方も出てきたそうです。
ソーラー発電装置は、災害時にも使用できるコンパクトなものを制作中とのことで、これからもどんどん広がっていきそうです。
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専門的な研究と、それを実践につなげる活動的な力の両方を持ち合わせた自然環境会議八尾さんの活動にこれからも目が離せません。