みんなの取組み
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世界の水をきれいに
2016.12.24
八尾空港の南側すぐにあるディンク株式会社を訪問しました。ダンボール用水性インキの製造販売、ダンボール製造工場向け排水処理設備の設計・施工などを行っています。
お話いただいた礒部社長(右)と木下部長(左)
そもそもダンボールって、とても環境に優しいって知っていました?ダンボールの原料は、そのほとんどが回収されたダンボールから作られています。その原料になるダンボール古紙の回収率は95%以上だそうで、省エネ、省資源を目的にリサイクルシステムが確立されています。印刷に使うインキ容器についてもリサイクルシステムが確立されていて、インキの容器は専用の袋で回収し、またインキの容器へとリサイクルされています。
ダンボール用インキの容器。
容器の回収袋。業界としてリサイクルシステムが確立されています。
ディンクさんはもともと、ダンボール用の水性インキ製造メーカーでしたが、ある日、お客さまから、
「ダンボール用印刷機から出る排水を処理できる機械を造れないか?」
と相談があり、それをきっかけに、排水処理施設の製造を始めたそうです。私のような素人目から見ると、インキの製造と排水処理設備の製造は、全くの畑違いのように思えますが、「インキを製造・販売している立場として、最後の排水まで面倒を見る(=ゆりかごから墓場まで)」と話されていたのが印象的でした。今では、この排水処理設備事業の方がウエイトが大きくなってきたそうで、まさしく有言実行ですよね。その設備で、排水がきれいにされていく様子を見せてもらいました。ダンボール工場からの排水は1日の中で濃度が薄くなったり、濃くなったりして、処理が難しいそうです。
排水処理設備です。処理する水の量にもよりますが、見せていただいたものはすごくコンパクト。
脱水機で、ろ過後の汚泥は別途処理します。
薬品処理後の処理水を微生物の力で更に浄化中。
生物汚泥を沈殿させ、汚泥の部分は工場廃水に戻します。
浄化された水。すごくきれいですね。
工場の中にも色々な取り組みが見られます。
天井の一部。太陽光が入ってくる仕組み。おかけで工場内はすごく明るく電気代が節約できますね。働いている人にとっても自然光は気持ちいい。
5Sが徹底されていました
今では日本全国の企業から依頼があり、ほぼすべての都道府県にディンクさんの排水処理設備が設置されているそうです。設置されていないのは残り1県のみとか・・・。某コンビニやコーヒーショップのような話ですね(笑)、すごい!ダンボールに特化した排水処理設備を製造しているのは、日本で唯一、ディンクさんだけ。
「これからの社会を考えたとき、何かを製造する機械ではないけれど、世の中に無くてはならないものを造っている。トップメーカーの自負として、将来的には、東アジアなどにも輸出していきたい。昔の日本がそうだったように、色んな水をきれいにしていきたい。」
と話されていました。ディンクさんのホームページを見ると、環境や社員のことをすごく大切に考えていることが伝わってきます。訪問して、話を聞き、実際の取り組みを見ることで、それがより実感できました。ここまで一貫して取り組んでいる企業は、なかなか無いと思いますよ。
近年では、環境への意識の高まりから、企業でも家庭でも色々な取り組みが促進されています。でも、企業に比べると、家庭の取り組みは、まだまだといった感じです。企業は、環境対策を怠ると、最悪、商売ができなくなるというペナルティがあるので。家庭では、そこまで大きなペナルティもないので、少しぐらいの汚れならいいと思って排水していませんか?その汚水をきれいにするための下水処理場では電気を大量に消費しています。そう、温室効果ガスの排出を促進していることにつながります。
例えば、
・油は使い切る工夫を。やむを得ず捨てる場合は、牛乳パックなどに新聞紙を詰め捨てる。
・食器や鍋等のひどい汚れや油は、紙等で拭いてから洗う。
・洗剤は適量使うようにする。余分な洗剤は汚れのもと。
など、日常で簡単にできる環境対策です。目の前の1つの行動が、最終的にはどうなるのかを意識することが大切ですね。