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異常気象と地球温暖化

異常気象リスクの高まり

 ドイツの環境NGO German Watchが2019年12月に発表した「グローバル気候リスク指数2020」によれば、2018年に最も気候リスク指数の高い国となったのは日本でした。グローバル気候リスク指数は、気候変動の影響を図る指標として国や地域がどの程度の影響を受けているかを分析し数値化したもので、2020年の指数は2018年のデータに基づいています。

 気候リスク指数(CRI score)は、次のような計算式で定められており、数値が低いほど気候リスクの影響が高かったことになります。

CRI score =異常気象災害等に関連する死亡者数(以下死亡者数とする)順位 / 6 + 人口あたり死亡者数順位 / 3 + 損失額順位 / 6 + GDPあたり損失率順位 / 3

 2018年の日本のCRIは5.5と2位のフィリピン、3位のドイツと比べても、飛び抜けてリスクが高くなっていることがわかります。2018年の日本は、私たちの記憶にも新しい7月の西日本豪雨、7〜8月の異常高温、9月の台風21号によって、全国的に大きな被害がもたらされた年であったため、死亡者数2位、人口当たり死亡者数2位、損失額3位、GDP当たり損失率12位といずれも高い数値となり、それが指標に反映された結果です。

 こうした気候リスクの高まりは2019年、2020年も続いています。2019年の日本の平均気温は観測史上最高となりました。6〜7月には東京や九州で記録的な大雨が降り、台風第15号、台風第19号、20号、21号の接近・通過に伴い、北・東日本で記録的な暴風、大雨による被害をもたらしました。2020年7月には記録的な大雨「令和2年7月豪雨」によって、7月3日から14日までの総降水量が九州を中心に年降水量平年値の半分以上となるところがあるなど、西日本から東日本の広範囲にわたる長期間の大雨をもたらし大きな被害を出しました。

「台風により増水した鴨川」

(出典:京都府地球温暖化防止活動推進センター)

 

「令和元年台風15号による暴風で倒れた木」

(出典:災害写真データベースより)

 

異常気象と地球温暖化の関連性

 近年のこうした異常気象災害と地球温暖化の関連性については、科学的な検証が進み、日本の気象庁気象研究所をはじめとする世界の研究機関からは、相次ぐ異常気象は温暖化の影響なしには起こり得ないと言う検証結果が発表されるようになってきています。

 こうした検証の中で用いられているのが「イベントアトリビューション(以下、EA)」という研究手法です。EAでは、気候モデルを用いて「温暖化している現実の気候条件」と「仮想的な温暖化していない気候条件」で大量の数値シミュレーションを行い、観測されたような極端現象イベントの発生確率が過去の温暖化によってどれだけ変化したかを評価するものです。このEAによって、2018年7月に観測されたような猛暑は過去の地球温暖化を考慮しなければ起こりえなかったことが明らかにされています。また、過去の温暖化によって50年に一度の大雨の発生確率が、2017年7月の九州西部においては1.5倍に、2018年7月の瀬戸内地域においては3.3倍になっていたと推定されています。

このように日本においても、猛暑、豪雨に対する温暖化の影響が明らかになってきています。温暖化の進行を食い止める温室効果ガス排出削減策(緩和策)とともに、気候変動の影響を低減するための政策(適応策)も重要になってきます。