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木村石鹸工業株式会社

くらし、気持ち、ピカピカ

2016.6.20

企業

JR久宝寺駅から南西へ歩いて10分。家庭用・業務用洗剤を製造している木村石鹸さんを訪問してきました。創業1924年以来、昔ながらの釜焚き製法によって「本当の石鹸」を作りつづけている企業です。

石鹸の歴史は、とても古く紀元前3000年(今から5000年前!?)にできたそうです。木村石鹸さんでは、昔ながらの「釜焚き」製法で製造しており、基本的な石鹸という性質は、あまり変わっていないそうです。

昔ながらの釜焚き製法の様子。文字通り、職人さんがつきっきりで釜で焚いていました。

製造中の石鹸、その良し悪しを職人さんが舌でたしかめたりするそうです。

できた石鹸を乾燥させる場所

せっけんのできあがり!

研究、開発も!

工場を見学して、こんなにも手作業で製造しているの?と、正直、驚きました。機械化されている工場で、自動的に出来上がっていく姿を想像していたので。そんな「釜焚き」製法で作られる石鹸について、もう少し詳しく聞かせてもらいました。

木村副社長(左)、峰松さん(右)

創業当初、木村石鹸さんでは、クリーニングで使用される石鹸や銭湯を掃除する石鹸を作られていたそうです。昔は、今のように化学的に合成された薬品も無く、釜焚き製法で作った石鹸が当たり前の時代でした。時代が進み、合成洗剤が社会に出回るようになっても、木村石鹸さんでは、当たり前のように昔ながらの石鹸を作り続けてきた、それが、今の安心、安全の製品につながっているとのことです。

ここで、石鹸や合成洗剤の違いって何?って疑問が浮かびますが、それについても詳しく教えていただきました。すべてを書くには長くなりすぎてしまうので、簡単に言うと、洗剤というものは、「石鹸」「複合石鹸」「合成洗剤」と3つに分かれるそうです。使用する界面活性剤が、せっけんとせっけん以外のものを使用する割合で分かれるそうですが、「石鹸」が人の肌や環境に優しいというのは、長い歴史の中で実証されてきた事実です。「石鹸が一番いい!」と思いますが、木村副社長が、あえて「石鹸が一番無難なんです」と言ったことが印象的で、製品へのこだわりや自信が込められているように感じました。

石鹸成分や界面活性剤について詳しいことは、木村石鹸さんのHPで紹介されています。

石鹸が、人の肌に優しいということは、なんとなく想像つきますが、環境に優しいってどういうことでしょうか?これについても、詳しく教えていただきました。

もともと、石鹸は生分解性が高いという特性を持っているためだそうです。生分解とは、物質が土や川に排出されて、それが微生物などに分解されて無機物になることをいいます。さっき出てきた合成界面活性剤は、自然に排出されると、その効果は無くなりますが、石鹸よりも分解が遅く、長く環境にとどまるそうです。よって、生分解性が高ければ、それだけ環境への負荷が低くなるということです。

しかし、いくら環境に優しいとはいえ、石鹸という物質を自然に排出していることには変わりないので、その排出量そのものを少なくしようということで、木村石鹸さんのHPでは、「石鹸の使用量を減らす、もっと環境に優しい石鹸の使い方」を紹介しています。石鹸を作っている企業が、その使用量を減らす方法をわざわざ説明するって、普通に考えるとおかしいですよね?たくさん使ってもらえると、それだけ商品が売れるわけなので。

さらに、手間ひまかけて石鹸を作っていると紹介していましたが、それを機械化して大量生産していくような考えも無く、
「必要としている方に、必要な商品を必要な量だけ届けていければいいんです」
とおっしゃっていたのも印象的でした。

今までの大量生産、大量消費社会が、環境に負荷をかけ、様々な問題を起こしている要因になっているのは間違いありません。これからの社会を考えたとき、木村石鹸さんのように社会のことを考えた企業がもっと増えていけば良い、そうあるべきだと思いました。

今まで、家庭で使う石鹸のことなど気にしていなかったですが、木村石鹸さんの話を聞いて考えが変わりました。身近な日常生活の中でも、きちんとした知識を持って選択をすることで、すぐにでも環境に優しい取り組みが始められると思いました。