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黄色い顔に赤帽子のフエキくん
2016.6.27
JR久宝寺駅から南東へ歩いて20分。工作用のり、接着剤等をを製造している不易糊さんを訪問してきました。幼稚園時代、誰もが手にしたことがある糊、「黄色い顔に赤帽子のフエキくん」で有名な企業です。創業1886年、100年以上続く老舗企業です。
誰もが知っているフエキのりですが、その製造方法や裏に隠されたすごい技術のことは意外と知られていないと思います。そんな裏側を企画開発室 室長の渡辺さんにお聞きしました。まずは「糊」が作られていく工程です。
主原料はとうもろこしでんぷん100%です。
まぜて、まぜて、でんぷんのりが出来上がり!
できあがったでんぷんのりは、貯蔵タンクへ。
天井から容器が流れてきます。
のりを容器へ注入。
黄色のヘラと蓋を付けて。
はい、完成です!
フエキくんののりは、1975年に「動物のり」という名前で販売が始まりました。発売当初は、「動物のり イヌ・ゾウ・ウサギ」の3種類だったそうですが、最終的に一番人気だったイヌが残り、今のフエキくんになったそうです。フエキくんというキャラクター名がついたのは2007年頃と最近の出来事で、それまでは「動物のりイヌ」という名前で販売されていたそうです。あれがイヌだったという事実を知って、少し驚きでした。
もっと驚いたのが「でんぷんのり」へのこだわりです。子どもが、直接、手で使用するものなので、ホルマリンなどは一切使用しておらず「安心・安全」は当たり前。腐らない、液化もしない、変色しないなど、長年、安定した品質が保たれるよう、研究に研究を重ねて、できあがるまでに17年の年月がかかったそうです。幼稚園の頃に毎日使ったこの容器の中に、これだけの開発者の想いや技術がギュッと詰め込まれていたことを知ると、「フエキのり」以外は使えないなという思いになりました。
さらに環境に優しい取り組みも、積極的に取り組まれていました。1960年代の高度成長期時代、不易糊さんの製造量も増えてきた頃、先の環境のことを考え、いち早く自社内に排水処理施設を作って運用を始めたそうです。
排水処理施設の様子
他にも、今では一般的になった「エコマーク商品」。色々な製品に付いているのを目にしますが、そのエコマークが世の中に生まれる前に、不易糊さんでは独自に環境マークなるものを作り、流通させていたそうです。きっかけは、容器の成型をしていた取引先と、もっと積極的に再生プラスチックを使っていこうという話になり共同で始めたらしいです。当時は、再生原料を使う風潮がまだまだなかった時代で、バージン原料を使う方がコスト的にも安かったが、そこは企業努力で頑張り、より環境へ優しいことを優先してきたそうです。創業者の想いにもそういう部分があり、それが今でも引き継がれ、実践されていることが素晴らしいと思いました。
日常生活をしていると目の前のことしか考えられないことが多いですが、少し先の社会環境を見て、何が正しいか?何をすべきか?考え、実践していくことの大切さを学べた気がしました。