株式会社 中澤砿油

資源循環型社会を推進

2018.2.3

企業

資源循環型社会の推進に事業を通して貢献している企業です。主に回収した産業廃棄物から再び使用できる燃料の製造を行っています。

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主に実施している事業としては、

①再生重油の製造、販売

②エマルジョン燃料の販売

③エレメント処理

④重油含む、各種タンクの清掃作業

になります。具体的にどのようなことを行っているかを、西本さん(左)、山戸さん(右)にお話しいただきました。

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まず対象地域の工場やガソリンスタンドなどから廃油や廃液を回収します。タンクローリー車で回収してきたものを、一度、タンクに移し替えます。

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次に、その廃油や廃液を成分分析→加熱処理→遠心分離→ろ過していきます。

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これらの過程の中で大きく3つ=油分、水、スラッジ(泥や沈殿物)に分かれるそうです。そして、

・油分=再生重油

・再生重油+水+スラッジ=エマルジョン燃料

を製造し、再び燃料として出荷するそうです。このエマルジョン燃料は、CO2やNOxを大幅削減するなど、環境に良い燃料として再評価されています。スラッジなどは普通であればゴミとして焼却処理するそうですが、中澤砿油ではすべてを再利用されている点がすごい!「限りある資源の有効利用のために力を尽くします」というメッセージを発してらっしゃいますが、まさに有言実行ですね。

出来上がった燃料は、再度、別のタンクに保管され順次出荷されていきます。中澤砿油さんには写真のようなタンクがいくつもありました。人と比べるとその大きさがよくわかりますよね。

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もう一つ代表的な事業として、オイルエレメントの処理があります。オイルエレメントとは、車のエンジンオイルをろ過して汚れを取り除くフィルターのことです。オイルエレメントは、缶(=外側の入れ物)、プラスチック(=内側のフィルター)、廃油(缶の中に残っている)の3つに分けられます。中澤砿油では、これらも、

・廃油→再生重油

・廃プラスチック→固形燃料の原料

・鉄スクラップ→鉄鋼原料

として、再利用されるそうです。従来、オイルエレメントは焼却でしか処理できず、リサイクル処理が難しいと言われてきました。それを可能にしたのが、こちらの機械。この設備がある企業は、日本でも珍しいそうです。

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この機械で切断処理され、それぞれが再び製品に生まれ変わります。

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お話を聞きながら、一貫しているなと思ったのは、「すべて再利用する。できないと思ったものでも、できる可能性はないかと考え、最終的にそれを可能にしていること」です。「同じエネルギーを消費するにしても廃棄物を処理するためではなく、もう一度使えるものを作るために消費する」という言葉も、こうした一貫した考え方から生まれてきていると感じました。人は活動している以上、CO2などを排出してしまうのは仕方がないことです。それが、ただ地球環境にマイナスになるのではなく、少しでもプラスにしようとする際の排出であれば意味のあるものだと思います。